南森まち

ライド・ライク・ア・ガールの南森まちのレビュー・感想・評価

3.5
2015年にオーストラリアの伝統あるG1レース・メルボルンカップを初めて優勝した女性騎手ミシェル・ペインの半生。

主人公の騎手としての挑戦、失敗、成長、挫折、復活、また父親との確執と和解を中心にストーリーが進む。
反発した父親に、幼い頃から言われていた言葉を反復するシーンも王道スポ根。

新緑のターフや、ぎっちり詰まったゲート、厩舎やオーストラリアの田舎の家庭などの映像も美しい。
サラブレッドは美しい生き物です。

「大事なのは忍耐だ。囲まれても諦めるな。突然、目の前に隙間が空く。神の声をよく聞け。隙間はあっという間に閉じる。」
テイエムオペラオーの有馬記念みたい。
競馬に限らずいい言葉ですね。

----------以降、ネタバレあり----------

ただ、「主人公が騎手を続けることへ葛藤する」場面がないことがストーリーとして欠けている。
姉や本人の事故、姉の結婚、ダウン症の兄スティーブが将来を危惧する場面など、将来の不安を示唆するシーンはいくつかあるのだが、その後、特に乗り越えようとする葛藤がない。
そのため、主人公はまったく迷わず自分の成功を信じて突き進むスーパーウーマンになってしまい、浅い物語になってしまった。
時間の関係で削られてしまったかな?