このレビューはネタバレを含みます
祭りとは神との交信の時であり、そして場所である。
顔を売る→顔を変え、見た目だけを交換(変身)する。うまくいかない状況を打開するための変身行為であり、これは平成仮面ライダーと一緒だなと感じた。
画面分割からもわかるようにムゲの視界には全く家族の姿が入り込んでいない。そして、ムゲと日之出、どちらも家族が欠けている。父親が妻という欠けを補ったからこそ欠けているムゲと、欠けているからこそ日之出はタロウの代わりの猫を得ることができた。
猫という仮面を着けていなくても仮面を着けている人間と、猫という仮面を着けているからこそ仮面を着けずにいられる人間、猫ではあるが人間のように仮面を着けている猫(?)の対比が描かれていた。
お面屋が完全に善である可能性を捨てきれないんだけど、やっぱり圧倒的「悪役」だったね。悪役なんだけど、物語を善の方向に導くファクターであることから、お面屋は善だったんじゃないかとも思ってしまう。これは全ての悪役に言えることで悪役というものに関してまた深く考えてみたいと感じた。
映画作品というよりはテレビシリーズって感じだったけど、途中からめちゃくちゃ映画っぽくなった。
そして、この作品を見てすぐに思いついたのがやはり『猫の恩返し』である。しかし、途中で助けてくれる人間だった猫たちはなんとなく昭和仮面ライダー(改造人間であり、後輩を助けるため)を感じさせた。
世界の危機とか救うわけじゃないけどね。
あ、タロウに変身するってことはウルトラマンか。