【手紙】

＜死刑制度はなくすべきか・残すべきか＞
ある種の永遠のテーマ。

初めて再審決定を得た免田栄に迫るドキュメンタリー映画。
冤罪でつかまり34年6カ月という人生の3分の１を牢獄で過ごしたという事実。

ドキュメンタリー映画であるので、免田さんの手紙や証言から当時をひも解いていく構成となっているが、どういう事件でつかまったのかその時どういう認定がされたのかという点を劇中で最初に解説してくれた方がある種歴史の教科書になったと思う。(当時はあたりまえすぎて説明不要だったのかもしれないが・・・)

免田さんの周りの人物たちがどんどんと処刑台に送られていく点について悲しさを語るシーンがあるのだが、(冤罪は別として)基本的にはその人物たちも「死刑」に相当するような事件を起こしたわけであり、単純な言葉では片づけられない難しさがある。

ただ、当時は死刑囚であっても動物を獄中で飼えたというのは驚きだった。

2021.7.7

• #kiritoのドキュメンタリー映画

ポレポレ東中野にて小池征人監督特集。

免田事件とは死刑囚となった免田栄さんが再審無罪を日本で初めて勝ち取った冤罪事件。

免田さんへのインタビューと獄中で書いた当時の手紙の内容を中心としたドキュメンタリー。

権力側が必ずしも正しいふるまいや判断をしているわけでなく、時には善良な一般市民の人生を大きく狂わせてしまう。

晴れて無罪放免とはなったものの、何人もの死刑囚が処刑されてきたことを間近に経験し(中には冤罪の可能性があった人も)、故郷に戻らなかったのは無罪となっても、死刑囚であった過去はムラ社会の中では消えない事実といった側面も(映画内ではそこまでは言い切ってはいないが)。

以前免田栄さんの獄中記を読み、権力監視をしないと権力が暴走してしまうことを許してしまうことを学びました。

上映終了後トークイベントがありました