このレビューはネタバレを含みます
観ながら、Netflixの『イカロス』に似た、取材中に事が同時進行で起きていく凄みを感じられた。
優れたドキュメンタリーの醍醐味のひとつなのかと思う。
スポーツ新聞の記者側も勿論だが、政権側にもしっかりとカメラが密着していたのはお見事。
保健相としては、変革を進めている、まさにの状況を見てもらうという意味でプラスだったのかもしれないが、それをゆるすことは普通あり得ないと思われるので。
そんな変革を進めているのに、選挙でボロ負けに近い形になるところが、何度も口にしていたルーマニアの腐敗を物語っているのかもしれない。
最初に状況を説明するためのテロップがあった以外は、本篇中でのテロップ、音楽などもなく、編集もフラットに、シーンとシーンをダイレクトに繋いだり、制作サイドの感情を出来るだけ乗せないように徹底していたように思える。
なのに、置いてけぼりにされることも一切なく、最後まで観られた。
素晴らしい作品だった。