まさに腐った世の中を描きだした作品。
ドキュメンタリー作品なのに、まるでフィクションミステリーを観ているかのような繋ぎ、撮れ高のある映像。終始引き込まれました。
ルーマニアブカレストで起きたクラブ火災。出口が一ヶ所だったことが災いし死者27人という悲惨な出来事が起こる。それで終わりではなかった
その後、命をとりとめた負傷者の人たちの中で37人もの人が次々と病院で亡くなってしまう。
どうして助かった人たちも死ななくてはいけなかったのか?
前半は新聞記者がこの事件の真相を追う目線で描かれ、後半は前任の不正のあとを継いだ保健相大臣の目線でこの一連の行方を観れる。
ジャーナリズム溢れる記者たちも凄いが
この正義感溢れる大臣が凄い。この映画の監督に大臣室を解放したらしい。 こんなこと日本じゃ絶対できない。
病院という閉鎖された所に渦巻く金と権力。
患者側は何時だって弱い立場でそりゃ言うことを聞くしかない。そこに誠実さはなくなり自分たちの欲のためだけの腐った環境になっていたら。。
考えただけでもゾッとする。
これはルーマニアの話だけど、日本も実際似たようなことあると思う。コロナの件とかもそう、現場の人たちには頭が上がらないけど実際経営は上向いた病院がほとんどだし。。
この映画は最後、どうしようもない不条理を突きつけてくる。
大臣になったって1人では全てを浄化させるのは無理。世の中に憤り、落胆するけど自分の範囲だけでも精一杯正しく生きようと思う。
所々観るのもつらい生々しい映像もあるが
ほんと観て良かった作品でした。