超高待遇の報酬を目当てにある企業の採用試験に赴いた受験者で、ビルの一室で説明を受ける八名の男女。ルールは三つ。試験用紙を破損してはならず、決して部屋から出ないこと、そして試験官や警備員との会話は許されない。質問はひとつ、答えもひとつ。制限時間80分の中で隠された問題と答えを探す彼らの姿を描いたスリラー映画です。
英米の大学でアメリカ史を学ぶ傍ら映画制作に取り組み、業界入りした後は脚本家としてキャリアを積み上げたスチュアート・ヘイゼルダインが2010年に公開した監督デビュー作で、完全に自分の手で作りたいとの思いから脚本のみならず製作も兼任。評価は絶賛とまではいかずともまずまずで英国アカデミー賞新人賞にノミネートされました。
人気スプラッターシリーズ『ソウ』らと方向性を同じくする密室ゲームものスリラーで、多くの人に馴染みのある設定で興味を引きます。シチュエーションとしては「ソリッド」ではないためスリルもサスペンスも限定的で予想以上のことは起きませんが、一度投げかけられるとどうしても知りたい「答え」を餌にして物語を推進する一作です。
