ブタブタ

獣の棲む家のブタブタのレビュー・感想・評価

獣の棲む家(2020年製作の映画)
3.5
『獣の棲む家』って邦題は違うし原題そのままの『ヒズ・ハウス』のがいい。
若い夫婦が娘を失いながら内戦の南スーダンを逃れ英国に難民として辿り着くも、差別と更には家には怪奇現象のダブルパンチ。
安住の地に辿り着いたかと思えば戦火の記憶がトラウマとなり襲ってくるし、死者達の怨念ややり切れない想いが分かるので単なる恐怖の対象として無下に切り捨てる事は出来ないのが辛い。
そして、あの展開は『サウルの息子』を思わせる。
死者達が海から襲ってくる幻想的なシーンや、之も現実と幻想の境界が曖昧なスーダン脱出の場面は風景が箱庭、パノラマみたいになってて遠くに人々が逃げてるのが見える、燃えてる人が歩いてたり恐怖でもあり幻想的であり、夢なのか記憶なのか、あのシーンは
素晴らしかった。
ラストもつげ義春『李さん一家』の「実はまだ二階にいるのです」みたいな愉快な?結末なのが、バッドエンドよりこういうラストのが自分はよかったです。
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