ゆるり

レリック ー遺物ーのゆるりのネタバレレビュー・内容・結末

レリック ー遺物ー(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

テイキング・オブ・デボラ・ローガンでも感じたが、認知症とホラーの相性が良すぎて、介護経験のある人ほどゾッとできると思う。
認知症の症状と怪異を上手いこと混ぜてあると、どちらなのか区別が付かないので周囲の人たちも判断しかねる。手遅れになるまで怪異だとは気付けない状況が無理なく成立してしまう。

ラストについては、実はもうとっくにおばあちゃんは亡くなっていたが、娘と孫のために人間の形をして振る舞ってあげていたのではないかなと思う。けどそれは皮を被る行為ゆえに死者には苦しく、その間で揺れていたから家にも通常の家と不可解な家の二つの姿があったのかなと。娘があの皮を剥いであげるシーンは、無言ながらも「もういいよ、おつかれさま、今までありがとう」と母親の死を受け入れているようでジンときてしまった。そして孫が見つけるものも結局は逃れられない「老い」由来の黒いものだろう。呪いというよりは摂理を描いていたように思う。孫目線からは、祖母の死に触れ、母の死も連想するという自然な流れに見える。
いつから生者の皮を被って生きているのか、生と死の間を感じられる作品だと思う。
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