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レリック ー遺物ーの29球Agentのレビュー・感想・評価

レリック ー遺物ー(2020年製作の映画)
3.0
年寄り笑うないずれ行く道暗い道。
認知症の凄まじさは指輪のエピソードどころじゃありませんぞ!と云う怒号が聞こえてきそうなほど軽く描かれてるのが気になります。

認知症を発症するそのものの恐怖だけではなくて、発症した際の戯言や夢まぼろしの類の発言と思ってたことが、一時正常に戻った際の不気味な内容の発言は事実だったんではないのか?と云う恐ろしさを徐々に違和感を積み重ねてラストまで引っ張ってくれます。

気になったのは結局介護する者もされる者も全て女性だけで、身内に男性は居ないんでしょうか?
女性3人が割れそうな氷上の上を手を繋いで足を滑らせそうになりながら歩く画ヅラを想像してしまいます。
力強く手を引っ張ってくれる男性は蚊帳の外で女性だけがつらく暗い道を歩かないといけないのかな?

また、映画的には至極残念なのが本作はとにかく画面が室内メインで薄暗くて、映画には照明が必要なことを健忘してるスタッフの脳細胞に呆れ果て、ラストまで一本調子の上辛気臭い内容で画面に集中する気力と根気が必要になります。
睡魔退散!

ただ、ラストの侵食は正常な精神と身体まで蝕まれてしまう暗喩が凄く恐ろしかったのと、まさかの『壁の中に~』オチかと思わせる10番煎じオチの恐怖を感じたんですが、そうではなく一安心したのも束の間で、
最後まで完走して大声で「ゴジラ1.0」やんかいさっ!!と突っ込んだのは私だけではなかったはずですw

ホラーとしての出来は同じ認知症を扱った『テイキング・オブ・デボラ・ローガン』の方が良く出来てたんじゃないでしょうか。
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