ATSUSHI

ナイト・ハウスのATSUSHIのレビュー・感想・評価

ナイト・ハウス(2020年製作の映画)
4.3
愛する者からの伝言?


やっと巡り会えた古き良きミステリーホラー!『チェンジリング』(1980)、『ディスコード』が好きな人には特に心奪われそう。
主人公の喪失感から始まる物語も、その裏側で何が動いているかを見せつつ説明し切らないスタイルは監督の過去作『THE RITUAL』から一貫してるので納得。未だ多くの謎を残す終わり方は賛否はあるけど、個人的にはアリ。ちょっと久々に見るステイシー・マーティンも相変わらず可愛かった。
あからさまなジャンプスケアも極力避け、夫の姿をしたアレは不気味なのに耳当たり良いASMR的な攻め方。こういうの良質な音響効果を催した作品こそスクリーンで堪能したいものなのだが。

主演のレベッカ・ホールは『THE AWAKENING』以来のホラー復帰。お淑やかな未亡人を演じるかと思いきや、事態を飲み込めず自棄酒に走ったり咄嗟に不満を相手にぶつけるところがまた人間臭くて、ある意味共感。やっと本音を表に出した涙のシーンなんて拍手を送りたい。

繁忙期のストレスと今日の悲しい銃撃で心を痛める時こそこういう静かな映画が必要なのだ。
あの銅像、見てて平常じゃいられない…