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アクション映画だ。
老いた退役軍人たちが街の麻薬組織を相手に死闘を繰り広げるという物語である。
「RED」とタランティーノとゾンビを足してソーダ割りしたような映画だ。
特段、目新しい要素はないが、楽しく鑑賞させていただいた。
物語の主な舞台は主人公フレッドが経営するバーだ。
そこはベトナムで共に戦った戦友たちが集う、“我が家”のような店である。
みんな楽しそうだ。
実は私はバーがあまり好きではない。
お酒はたしなむが、食べ物はそれ以上にたしなむのだ。
だから、圧倒的に居酒屋の方が好きなのである。
更に私はカラオケもたしなむのだ。
居酒屋の後はカラオケボックスかスナックというのが、たしなみツアーの黄金コースだと言えよう。
そこにバーの入る余地などないのだ。
バーでは何もたしなめないのである。
ちなみに言わずもがなだが、シメはラーメンをたしなむのであった。
おっと、珍しく話が横道にそれてしまったようだ。
(いつもやで)
そのフレッドのバーにある小娘が逃げ込んでくる。
彼女は麻薬組織のボスに姉を殺された腹いせに、組織から大量の麻薬を盗んできたのだ。
だが、組織も黙ってはいない。
小娘を追ってフレッドのバーを急襲するのである。
ヤク中どもを引き連れて・・・
先ほど“ゾンビ”という文言を使ったが、この作品はゾンビ映画ではない。
麻薬組織の兵隊としてバーを襲うヤク中たちが、まるでゾンビなのである。
生身の人間なのですぐ倒せるし、感染の心配もないのだが、なんせ数が多いので厄介だ。
老人たちは籠城戦を強いられる事になる。
果たして彼らの運命や如何に!
「ランボー」のような展開を期待したのだが、やや当てが外れたようだ。
つまり、元軍人としての知識を生かして様々なトラップを仕掛け、効率よく敵を倒していくのだろうと思っていたのだ。
あるにはあったが、それも最初だけで、後半は行き当たりばったりの肉弾戦であった。
そこが少し残念だ。
だが、私はこの作品を評価する。
予算ザブザブで面白くないアクション映画は目も当てられないが、低予算でそれなりに面白く仕上げている作品は評価せざるを得ない。
世紀末的な設定が必要だったかどうかはさて置き・・・
ちなみに主人公フレッドを演じているのは、「ドント・ブリーズ」の盲目の老人役のあの人だ。
「ドント・ブリーズ」の時の方が強いぞ。
目ぇつぶって戦えば?