すごく真面目なリーダーがいて破滅型のボーカルがいてちゃんと参謀がいて人間味に溢れる奴がいてやんちゃなやつがいてバンドが成功していくんだという奇跡が起きたのがよくわかる。でもこの真面目なリーダーソングライターは歌うことができなかったんだな。歌を歌うやつで真面目なやつは多分だめなんだろう。そしてこの構図は必然的に運命的に憎しみ合うことになる。それでもおそらく100年後もラストワルツは音楽を扱ったドキュメント映画の頂点に座り続けるに違いない。ロビーロバートソンにフォーカスを当てているのは生き残ったのでしょうがないがむしろこのラストワルツのメイキングをマーチンスコセッシに語らせた方が客観的だったのかもしれない。