穂苅太郎さんの映画レビュー・感想・評価

穂苅太郎

穂苅太郎

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エクステリトリアル(2025年製作の映画)

3.7

ジャンルものと呼んでもいいぐらい同じプロットが使われている。古くからはヒッチコックの「バルカン超特急」、ジョディフォスターの「フライトプラン」、なのだが、全部お母ちゃんの妄想なのではと理屈をしっかり埋>>続きを読む

99.9-刑事専門弁護士‐ THE MOVIE(2021年製作の映画)

3.0

ミステリーとしては悪くない。ギャグとか高速カットとかあざとい芝居とか楽屋落ちキャスティングとかあくまでも意図的にやっていることは分かる。たしかにそういうの好きな人はいるのだろうし。いやいるのか?まいい>>続きを読む

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

3.8

マイケル・マドセン追悼視聴。今作のクールでサイコな二枚目よりもキルビルでの落ちぶれたおっさんの方がはまり役だったのだけど、充分にカッコいい。いい顔のおじさんたちばかりなので、ちょっと二枚目な分埋もれて>>続きを読む

セーヌ川の水面の下に(2024年製作の映画)

4.0

やこれは面白いし新しいぞ。サメがあって完全に頭が二つになったり三つになったり四つになったりして空飛んだりもしてもうお笑いでしか消化できないと思っていたところにこれだ。

セーヌ川にした意味も大きくある
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オールド・ガード 2(2025年製作の映画)

3.0

武器とかのバリエーションは多少あるものの、傷が治ってしまうという能力のみに絞られているのでキャラクターごとの面白みは希薄なのだよねやっぱり。唯長生きしているゆえの知識を溜め込んでいた研究者風のが新しい>>続きを読む

武道実務官(2024年製作の映画)

3.5

ちゃんとそれぞれ三段を取っている者としてテコンドー、柔道、剣道のそれぞれの戦い方のバリエーションがついてたのしい。ゲームオタクであるとか結構おバカキャラとか人物造形も新しいアプローチだった。

ボスキ
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王になった男(2012年製作の映画)

3.5

いやはやとんでもないオールスターキャストで、おまけに推しのイ・ビョンホンときて、今まで見てこなかったのは、とにもかくにも韓国の時代物がどうしてもはまれないということに尽きる。

歴代最高とも言える韓国
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聖なるイチジクの種(2024年製作の映画)

-

この映画にレビューなんかできない。ましてやスコアなんぞとてもじゃないがつけている場合ではない。観始めたときはこの映画が公開できるということはイランという国もなかなかに民主化が進んでいるのだな、などと完>>続きを読む

トラップ(2024年製作の映画)

4.0

抜け出すためにアドリブで繰り出すトリックがどれもこれも凝っていて、しかも娘を傷つけないようにしなければいけないという結構とんでもない縛りの下でくぐり抜けていくものだからきもちいいったらありゃしない。さ>>続きを読む

犯罪都市 NO WAY OUT(2023年製作の映画)

3.8

はい、いつものマドンソクです。それ以上でも以下でもないんだけどこれ上にブレても下にブレても長く続くシリーズものでやっちゃいけないことなのです。つまり水戸黄門です。寅さんです。もちろんそれでいいのです。>>続きを読む

ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

3.5

傑作と名高い本作だけど、やっぱり韓国のラブストーリーは苦手だわ。韓国でも日本でもこうしたキラキララブストーリーは需要があるのは分かるけど、そこまでおじさん的には素直になれなくてね。

ということでずっ
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はちどり(2018年製作の映画)

3.7

映画を見る際の自分の中での基準でその映像作家つまり監督が持っているテンポ感やリズム感をとりわけ重視してしまうクセがある。本作は同じ韓国映画のイチャンドン監督に比較的テンポ感が近いが、イチャンドンがbp>>続きを読む

リンカーン弁護士(2011年製作の映画)

3.1

なんかタイトルはよく見ていたけど基本的に財閥系の金持ちのボンボンが道楽で事件解決する系のやつあまり好きじゃないのでタイトルだけで避けてきたなあ。でも実際は金持ちっていうかどちらかというと小汚い売れない>>続きを読む

ペリカン文書(1993年製作の映画)

4.1

いや過去に絶対見てるのよ。ジュリアロバーツが学生の論文気分で書いた推測が当たっちゃったこととか、バックミラーカバーの映り込みで隠れ場所が分かっちゃったりとか結構明確に覚えている。でもさすがはジョングリ>>続きを読む

啓示(2025年製作の映画)

4.0

ヨンサンホ監督の作品はその通奏低音の中にどこかしら宗教、特に現在の韓国の宗教事情について、慎重にではあるがかなり批判的な視点があるように思う。そしてそのオカルティックな中に歴史的に積み上げられてきたビ>>続きを読む

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.3

ギレルモデルトロのゴシック趣味というか博物趣味というかゲテモノ趣味について非常に個人的ではあるがあらかじめ気持ちが引いてしまっているところが否めない。シェイプオブウォーターは確かに面白いし、新しいアプ>>続きを読む

インサイド・マン(2006年製作の映画)

3.8

2016年に見ているのだが、十年近く経ってその続編が公開されるというので見直してみた。当時はハリウッドもビッグバジェット全盛期でこの全員主役級を集めた過剰なキャスティングもほかの作品でもいくらでもあっ>>続きを読む

インサイド・マン2(2019年製作の映画)

3.0

新幹線大爆破に続く過去の名作の掘り起こし続編ということなのだろうか。脚本とかもとても頑張っているし、演出やストーリーも前作をなぞるかのようにリスペクトしているその心意気は認めましょう。

だから本当に
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K.O.(2025年製作の映画)

3.6

最近流行りのそれほど強くないナーメテーター。確かにリアルだしはらはらもするのだけど、私はどちらかというとありえないぐらい強い方が好きかな。いっぺん倒れてからバイキルトがかかって強くなるというアビリティ>>続きを読む

復讐の記憶(2022年製作の映画)

3.8

復讐する方もされる方も老い先短い、じいさんたちだということが実はすごく韓国社会の実情とメッセージのあり方を形づけていることに注目されたし。日本でも韓国でも年代を追うにつれてこの映画で描かれているような>>続きを読む

アビゲイル(2024年製作の映画)

3.0

踊るヴァンパイアの少女ということは結構魅力的な設定ではあったので期待していたのだけど、ちょっといろいろ肩すかし。

襲われる側のキャラクター造形がひとりひとりなんとなく個性付けをしているのだけど、そこ
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AWAKE アウェイク(2021年製作の映画)

3.0

映画のジャンルで「何々しちゃダメジャンル」があると思う。見ちゃダメ聞いちゃダメ音出しちゃダメ息しちゃダメセックスしちゃダメ・・・・・・。なので本作もそのシリーズで眠っちゃダメジャンルなのかと思っていた>>続きを読む

彷徨い(2023年製作の映画)

3.6

これは胸糞映画だ。しかもかなり意地が悪い。途中までてっきりアメリカが舞台だと思っていたけど、右ハンドルの車でイギリスだとわかった。確かに現在のアメリカだとこうした差別問題はまだまだ色々解決しない部分が>>続きを読む

PHANTOM/ユリョンと呼ばれたスパイ(2022年製作の映画)

2.8

イ・ハニのほっぺたのヒアルロン酸が表情を塗り固めていて、唇や目周辺の筋肉の動きも固まっている。整形疑惑は否定しているようだが、格闘シーンや怒っている顔のシーンで明らかだ。これは役者としては致命的だと思>>続きを読む

キングメーカー 大統領を作った男(2021年製作の映画)

3.8

金大中といえば韓国民主化運動の父と言われるほど今となっては伝説か偶像化して崇め奉られているのだが、朴正煕でも全斗煥でもなく金大中を持ってきたということは、選挙参謀の闇の部分と光の部分をダイナミクスたっ>>続きを読む

モンキーマン(2024年製作の映画)

3.7

主人公が体型も顔つきも圧倒的に弱々キャラなんだよな。ここからスタートする復讐譚どうやって収めるのだろうとわくわくするところから始めることができた。でもほかのところは色々徹底的にやるインドなので体作る期>>続きを読む

ロスト・フライト(2022年製作の映画)

3.2

飛行機の中でのパニックとかコパイロット客室乗務員の振る舞いとか結構リアルなんじゃないかな知らんけど。ただ墜落してからのてんやわんやが意外と単調で、だらだらしちゃったのはどうしてなんだろう。

まずジェ
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

4.0

やばい!やばい!やばい!タイトルからして結構胡散臭いB級のかなと思ったらこれは新たなスーパーヒーローものとして、シリーズ化してもいいぐらいじゃないか。ラッセルクロウは貫禄ついた分グラディエーターなんか>>続きを読む

陪審員2番(2024年製作の映画)

4.5

去年の作品だけど今年見たものということでは今のところベスト映画だ。クリントイーストウッドだから94歳だからすごいのではなく、作品それ自体のパワーが独立してすごい。

確かにドラマチックでもないし、例え
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ザ・コンサルタント2(2025年製作の映画)

3.6

前作に比べて出自の謎がストーリーに組み込めない分キャラクターの重厚感は薄くなった。それを埋める兄弟のバディ感の盛り上げは、ちょっとコメディに寄りすぎちゃったのかもしれない。ところどころでクスリとさせる>>続きを読む

ザ・コンサルタント(2016年製作の映画)

3.9

熊本のロードショーで2017年2月に見て以来なんと驚きの続編がアマプラで配信されるということでもう一度見てみた。えっ、この映画こんなに面白かったっけ!ナメてた相手が殺人マシーンパターンであるんだが、そ>>続きを読む

毒親<ドクチン>(2022年製作の映画)

3.8

真面目に一本の映画に取り組むとこんなに傑作が仕上がる。とても地味な映画だし、とりたててスターがキャスティングされているわけでもない。ストーリーは淡々と登場人物たちの心情を取り上げる形で、誠実に真相に近>>続きを読む

ショウタイムセブン(2025年製作の映画)

1.5

ウハハハハハハハ!これ下手したら2025年度版「大怪獣のあとしまつ」になっちゃうんじゃないのかな?そう思いながら見たので笑えた笑えた。

オリジナルである2014年公開の韓国映画の「テロ・ライブ」それ
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グリーンフィッシュ 4K レストア(1997年製作の映画)

3.6

イ・チャンドン監督が元々持っているだろう独特なリズム感や時間の解釈、間の取り方など、ハリウッドのブロックバスターものとか同じ韓国映画でもノワールどっぷりの作品とは全く違う文体なので、ともすると増長に感>>続きを読む

クワイエット・プレイス:DAY 1(2024年製作の映画)

3.8

ルピタ・ニョンゴの恐怖におののく顔は声以上に凄まじくて、歴代ホラーのスクリーミングクイーンの中でも三本に入るんではないか。声がなくてこれなのだよ。キャスティングがMVPってわけだ。

静けさと人間関係
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コンパニオン(2025年製作の映画)

3.9

見終わってから考えてみると設定とストーリーだけで予算がものすごくかかってない映画だった。 SFとして考えるとそれこそ脳内がSF仕様になるため結構ゴージャスな映画として見れてしまう。よくできたホラーとか>>続きを読む