パク・ソダムを見たくて見る前から内容がわかってしまいそうな本作に手を出してしまった。古今東西の名作やジャンルものをプロットそのまま持ってきて独自の脚色を施して斜め上方向に放り投げる韓国映画の得意技の典型ともいえる。
プロットそのものは本家「エクソシスト」だが、ここに韓国映画のお家芸ともいえる家族にまつわるトラウマ、組織の傲慢欺瞞、下手すると日本のそれよりも過剰な師弟関係。この辺を本当にうまく盛り込んで飽きさせることなく最期まで行ける。
絶賛されているパク・ソダムの芝居はまあ、この手の役では標準的なものではある。だが、やはり目を閉じている時の観音菩薩を思わせる聖櫃と悪魔のシーンでの冷徹のギャップが天性の顔つきのおかげで素晴らしいものになっている。
思わせぶりなラストも韓国映画らしいわ。チャン・ジェヒョン監督は新作の「破墓」がどうやら出世作のようなので楽しみだな。ヒロインはパク・ソダムそっくりのキム・ゴウンらしい。一重まぶた推しとしては嬉しい限り。