KT洋画

ビバリウムのKT洋画のネタバレレビュー・内容・結末

ビバリウム(2019年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

観る前に強めのホラー描写や伏線回収を期待していた人ほど残念に思う作品だったと思う。托卵の話など、序盤に重要な要素は知ってしまうのであとはその世界をひたすら観る。ほとんど展開がなく面白くない、あまり怖くなかったというのはこの映画の場合正解かもしれないと思った。なぜならヨンダーには楽しみがないのだから。観客は初めから絶望的状況に頭を抱え、救いようのない結末に映画と共に衰弱していくわけであって、希望をもてる展開が簡単に起きていいわけないということ。よって、車のバッテリーのシーンなど些細なことが活きてくるとも思える。
最後に力を振り絞ったジェマにより生まれた展開、これがこの衰弱しきったストーリーの最後の息である事は間違いなかった。

この映画は「繰り返す」ということを住宅、マーティンの継承、セリフで植え込んできたが、特に「Whatever」のセリフが印象に残るものだった。マーティンの心無い言葉はジェマ自身を真似て覚えたものであり、それを繰り返し言うマーティンはなぜその言葉を気に入ったのか、まだ色々考えられはしそうである。
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