ぐりこ

ビバリウムのぐりこのネタバレレビュー・内容・結末

ビバリウム(2019年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

道具を持ち、資本主義を築き、生態系の頂点にいるように振る舞う人間が、自然界の一部だと思える映画。
でもその実感を得るのはリアリティのある自然災害とかではなく、謎の生命体によって、というホラー(サスペンス?)映画。


カッコウが巣の乗っ取るシーンから始まるこの映画。
たしかに子どもをすり替えられ(というか勝手に与えられ)、母親を奪うという点ではカッコウと同じなのだが、
逆にヨンダーでの赤ん坊育てとの違いが気になってくる
食物は勝手に運ばれてくるし(カッコウは母親が運んでくる)
殺されるのは母親の子どもではなく彼氏。

そう考えてたどり着いた答えは、
これはこの育てさせられる子ども(宇宙人みたいな存在)の図鑑的映画である。

昆虫図鑑の「虫の一生」のようにこの生物の一生を描いた映画。

不可思議だが、育てた宇宙人ともとれる子どもは、おそらく人間に似た見た目だが成長が早く早く老いるサイクルで新しい子どもを育てなければならない。
その自然のシステムとしてヨンダーがある。
そして捕食されるのは人間だ。
生態系が違うので食べ物も違う。そして現在以外の世界線にも行ける。言語も違う(TVや子どもが持ってきた本からわかる)。
わたしはこの生物に名前をつけたい。
そして言語をどうやってあの表現に決めたのか知りたいな。(映画『メッセージ』とかも好きなので…)

最初は深読みしすぎてフロイトの父親殺しなど色々考えたけど
上記結論に達した。


かつて子供のころに昆虫図鑑、動物図鑑を愛読していた人たちにとっては
かなりゾッとするかもしれない
人間が図鑑にされる日がくるかもしれないね〜
「菊と刀」とかは人間が書いた日本人図鑑かもしれないけど🤣

経済が人間が自然に考える大自然であるなら
ヨンダーもまた謎の生命体にとっては大自然かな
ぐりこ

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