たく

宇宙でいちばんあかるい屋根のたくのレビュー・感想・評価

3.8
少女と不思議な老婆の交流を通したそれぞれの葛藤の乗り越えといういかにも感動路線のストーリーが、一歩間違うと陳腐になるところを役者陣の抜群の演技力でまとめ上げた感じ。綺麗過ぎる現実離れした映像が違和感あったんだけど、最後まで観るとこの話にはちょうど良いのかなと思った。

まず主演の清原果耶が素晴らしくて、自然なセリフ回しとちょっとした目の演技のセンスがスクリーンでひさびさ見る桃井かおりの貫禄の演技に一歩もひけを取ってない。泣きのシーンが圧巻で、「花束みたいな恋をした」の印象はあまりないんだけど今後実力派としてブレイクしそう。
脇役陣もみんな良く、坂井真紀のあえて明るくふるまう母親とか、清水くるみの男運のない感じが同監督で出演した「青の帰り道」に通ずるキャラで存在感あったし、つばめを取り巻くイケメン男子二人も見た目が正反対ながらいい人っぽさが自然と滲み出てて良かった。誠のファミレスシーンの女性慣れしてないおどおどした感じは最高だったね。

つばめと星ばあがタメ口でずけずけ言い合うコンビ感が心地よく、夜道で互いに踊り合うところから星ばあが暗闇に消えていくシーンは自然と涙が出たね。糸電話が物理法則ガン無視なのが思わずツッコミたくなったけど、「風の電話」と同じことなんだなと思って納得した。
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