【ネタバレ有り】
最高に胸が熱くなる映画だった。
誰よりもキツい境遇なのに、常に明るくてバカやってて。佐々木みたいなヤツ、大好き。
意外と町田康の本とか読んでやがって。あれでいて意外にカルチャー好きなんだな。
ああいう、空元気のバカキャラで振り切らないと、孤独や不安に潰されそうだったのかもしれない。高校生になってあのキャラを確立してたが、小学校、中学校の時は全然違うキャラだったのかもしれない。
家に無造作に置かれた、デッサンや描きかけの絵画の暗さを考えると胸が締め付けられた。
一方のユウジ。
「別れたのに未だ同棲を続けているカップル」描写は、つき刺さりまくった。
『ちょっと友達と飲み行ってくる』と言われた時の心のザワつき。
めんどくさい事、選択しなきゃいけない事から逃げていた。
彼のお婆ちゃんが洗濯物を干すのを後回しにしていたように。
生乾きの匂い、というモチーフが効いてる。
佐々木との死別、同級生の赤ちゃん、恋人と向き合った後の爽やかすぎるさよなら。
それらを経て、舞台「ロング・グッドバイ」に向かう彼の面構えの良さにシビレた。
佐々木というのは皆の心の中に潜む「モラトリアム・青春の残り香(何か言い回しがダサいなぁ。格好良い言葉が思いつかない)」の象徴のようだった。
ラストの「幕末太陽傅」オマージュ、本家を超えるようなエモーショナルな場面だった。
「佐々木は俺達の心の中に生き続ける。」「佐々木の分も俺達は全力で生きる」なんて言葉であーだこーだ言うより何万倍も伝わってくる、正に映画的な表現。
佐々木っ! 佐々木っ!
【追記】
一人カラオケで「化粧」「プカプカ」歌って覗いて見たらあの子だったらそりゃ好きになる!
佐々木!良く勇気出した!