若き日のぶりゅ〜るさんを観たくて。
東ドイツに住む、母親思いの青年アレックス。心臓発作から昏睡に陥った母が目覚めた時には、ベルリンの壁は崩壊していた。熱心な社会主義者である母のために、その事実を隠そうと奔走する。
まーーなんて優しい子なの、アレックス。ひたすら西ドイツのものを隠し、外部からの情報を遮断し、「何も変わっていない」と母親に思わせる。その様はとても滑稽だけれど、優しくて不器用な愛の形。ピクルスとかジャムを、東ドイツ時代の入れ物に入れ替えたりするのがなんかすごく微笑ましい。
それまで当たり前だと思って過ごしてきた世界が、寝て目が覚めたら一変してたらしりゃあ混乱するよなぁ。歴史の授業で勉強したときは社会主義って悪いイメージがあったけど、その中でしか生きてこなかった人もいるわけで。
優しいコメディですが、国家そのものや歴史の転換期に生きる人々を描いたドラマとしてもおもしろい話でした。
2018/92