ザ

逃げた女のザのネタバレレビュー・内容・結末

逃げた女(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ありがとうです。
こんなにズームインズームアウトが多用されていることの意味を考える。とりわけ女性たちの会話中(あと、猫)がズームインされていたのには、大事にされない側にフォーカスを当てているということなのだろうか。そして男性の出演が極端に少ないのと、出ていてもほとんどがバックショット。猫より人の方が大事とか言っちゃう様な人とか、被害者意識が強いストーカー気質の人とか、イキった作家とか、、文字通りガミは夫との生活から逃げたということだとは思うけど、その道中が軽妙に描かれていた。そしてとにかく食べる。あるポッドキャストで(多分アトロクかな?)韓国映画で同じ食卓を囲むということは親密さを表していると言っていた記憶があるけど、女友達とガミが会っている時は必ず何かを食べている。(ホンサンスの映画を韓国映画の枠組みで語るのが正しいのかは少し悩ましいけど)女性同士の親密さを描いていたのかな。とりわけ最後の女性との間には深いものを感じた。それが何かは語らないけれど、ガミの目的は彼女だった様な気がする。ラストの一度劇場を出て、また劇場に戻るというシーンは夫から逃げた(夫との生活を選ばなかった)、この女友達の元にとどまる・あるいは一緒に逃げる?ということの示唆なのだろうか。いろんな目線で語れる描き方とキムミニ様の堂々たる出立ちに感服。
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