ホン・サンス監督でいうと『それから』はあまりハマらなかったけど、今作はまるで小説を読んでいるような心地良さに、感激した。
会話劇、という表現さえ言葉選びが正しくない気がして恣意的なのではないかというほど自然体な登場人物達のやりとりと言葉のキャッチボールに夢中で見入ってしまう
人に話して、人の話を聞いて、頷く。相槌を打つ。
それだけで自分と、自分と他者が過ぎた時間を埋めるようにして見えない何かで結び付けられて、人生の僅かな一端が美しく成立していく感覚。
76分の物語なのに、この人達をもうずっと前から知っていたような気もするし、できるならこの先も只々こういう映画だけを愛でていたい