グラビティボルト

野獣の青春のグラビティボルトのレビュー・感想・評価

野獣の青春(1963年製作の映画)
3.8
宍戸錠版「用心棒」的なヤクザ映画なので、主人公が二つの組織を対立させる為に行き来する訳だが、
両陣営が抱える殺し屋キャラのバリエーションが豊富で、愉しい。
かつ、彼らが対決する銃の駆け引きはじっくり捉え、スリルが発散する銃撃戦は一瞬。凄まじい緩急。

殺し屋を女の家で待ち伏せるシーン、相棒が居合わせた女に一目惚れしてしまうんだけど、飛び込んできた銃弾によって即射殺されてしまう速さが凄い。
あと、棚を遮蔽物にしてライフルと拳銃を向け合うショット、腰だめと胸を狙って突き付けるポージングが格好良い。

終盤、刑事の未亡人との駆け引きは
フレーム外からの視線や音を活かしてるのが巧かったな。
主要男女のやり取りを盗み見る視線とその主を怒らせる一言があれば惨劇が成立してしまう怖さ。