のこのこのこっち

ベルリン・アレクサンダープラッツののこのこのこっちのレビュー・感想・評価

4.0
はあはあってけっこう聞こえてくるな。取り敢えずファスビンダー版は未鑑賞です。原作が発表されて間もない31年にフィル・ユッツィにより初めて映画化されていて、そちらはファスビンダーのクライテリオン版に本編すべてボーナス収録されているらしい。故に3度めの映画化となる。

少なくともファスビンダー版は原作に忠実な面が多いらしいが、こちらは現代に置き換えられている。主人公がギニアビサウ生まれの難民で人種の多様性があったりすることと、ベルリンの全景というより下層の人々を描いているのが特徴のようです。

先に個人的なことを言うと大淫婦バビロンって誰もが知る黙示録じゃんか。しかも売春に合わせてとか笑えるだけでしかなかったりする。この原作由来らしい一部の描写はむしろ好かない。そこは聖書からの姦淫の引用なんてのはポー『お前が犯人だ』程度のことに抑えた工夫が欲しい。それこそただのバカかって思うから。

しかし内容はその下層をしっかり捉えていていい。取り分け惹かれたのはラインホルトの道化のようでありつつ悪魔のようである実際はただのいかれた人物が素敵で、話を上手く回してくれていると感じた。あの変な姿勢で最初にクラブ入ってくとこや、札を拳銃みたいなおもちゃで飛ばしてるのとかがかなり好き。