ベルリン・アレクサンダープラッツの作品情報・感想・評価

『ベルリン・アレクサンダープラッツ』に投稿された感想・評価

梅田

梅田の感想・評価

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原作もファズビンダー版も知らないこともあってか、触れ込みほど重厚な感じもなく、3時間とはいえそこまで長く感じなかった。
映像がかっこいい。が、かっこよすぎてちょっと恥ずかしいともころもある。
主演の3人がそれぞれとてもよかった。善悪のはざまで揺れ動く難民のフランシスを演じたウェルケット・ブンゲは特に好演だと思った。
やはり原作、オリジナルとの差異ばかりに囚われながら見てしまい、その改悪が目に付く出来ではあった。フランツのキャラクター変更は著しく、移民としてドイツの地で生きていかねばならぬ者としての弱さは描かれるが、それが翻った虚栄までは踏み込まず。
ただエピローグは、ベルリンの喧噪にのまれ、思わず両耳を塞いでしまう印象深い仕種を、片腕を失ってしまっているため不格好な形で耳を塞ぐ仕種に置き換えており、これがふしぎと希望を感じさせる塞ぎ方でとても良かった。



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https://ken-ken-pa-pa-20220408.hatenablog.com/entry/2022/08/09/230024
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

3.0
清水義範的に7文字で表すと「色々ありすぎ。」という感じの、不法移民の男性が否応なしに巻き込まれていく過酷な運命を3時間の尺を使ってじっくりと描いた作品。まっとうな人生を歩みたいと考えていた主人公が早々に極めて厄介なやつに目をつけられ、結局その男に関わる事で望む方向とは正反対の側に急速落下していくので、3時間のうち最後のわずかな時間を除いては救いが一切なく、観ていていたたまれなさばかりが募る。実際ラインホルトみたいな輩も、そしてそれに翻弄されるフランシスのような存在もこの地球のどこかに何人もいるんだろうなあ、と考えつつ部屋を見渡して、改めて今の生活に満足する事以外何もできない(笑)。
山前暁

山前暁の感想・評価

5.0
何度目かのリブートだそうだけれども、原作小説、他の過去に撮られた映画は観ていない。調べ物をしようとも想わなかったので、生きるために必要な、想像する力をフルに活用し、レビューを書いてみたい。持たざる者になってみるんだ…

この地下(u n d e r g r o u n d)で助けを呼ぼう
アンジェイ・ワイダ、レオス・カラックスときて、現在(n o w)は、資本主義 ✈︎ 新自由主義 ✈︎ 利潤第一主義 ✈︎ ✈︎ ✈︎ もはやどこへ行くのやらという様相です。皆んな、生き方が問われてますよね。勇気を振り絞って “地上” に出ないとダメだとは想うんですが、無防備に “地上” へ出ると「対話」もさせてもらえず 🌋周縁🌋 行きだからね。

   ひぃ   周縁
       🌋   🌋
     🌋     🌋
    🏔   中    ⛰
    🛸    心   🗻
     🌋     🌋
       🌋  🌋
        周縁    はぁ

カウボーイやロックの時代は終焉となり、朽ち果てた。大金持ちは宇宙に行く。私たちは地下へ潜る。“地上” は札束が歩くだけ。コミュニケーションは存在しない(気がする(しない気もする))。『Pola X』という哀しい真実に目覚め切った(w o k e)。なのに、観てほしい、アイデンティティ・クライシスに陥った、全ての登場人物/地下生活者を。どうか観てください。足りないよ。

「対話」が足りないよ。なんだよ、アイデンティティ・クライシスって。どうしてさ。誰か「大丈夫?」って言ってよ。「¿大丈夫?」-- 彼(ラインホルト)が話しかける。私(フランシス)はこう呼ばれる --「フランツ」。だから私は頑張った。
🖤メフィストフェレス🖤🤍エンジェル🤍アフリカ系不法移民に「救いの手≒悪魔の誘惑」がサササッと近づきます。歯軋りする。天使は女娼でした。キリストの信徒は喜ばない内容かと。都会で聖者(S A I N T)でいるのは難しい(H A R D)。

…想い出した。『Bagdad Cafe: New Director's Cut』との出逢いを。でも書かない。
XXXXX

XXXXXの感想・評価

4.3
「ベッドとパターパンだけでいいのか?」
ドイツ映画の近年稀に見る傑作!
不法移民の青年フランシス。真っ当に生きるつもりで、アフリカからドイツへやってくる。しかし、ラインハルトと繋がったことから、麻薬の運び屋をすることに...。

ジャーマンノワールの傑作でした。上映時間3時間と言う長丁場でしたが、かなり楽しめた作品です。全編不穏なサントラが流れ、夜の街の怪しいネオンライトの灯や、クラブでの情景。場末のストリップバー。そして、一癖も二癖もある登場人物たち。
全編SEX描写のオンパレードにおっぱい出まくりで、見る人をかなり選ぶと思う(ボカシ入り

今っぽくLGBT要素があったり、宗教的解釈や、全く先が読めない展開。新しいドイツ映画の風と言える作品でした。本来なら真っ当な人生を歩みたかった。しかし、貧困などにより、仕方なく悪の道に染まる主人公。不慮の事故により、○○○○という事態に陥り、さらに物語は加速してゆきます。結末は如何にー?!
100年前の同名小説を、現代の映画芸術として昇華させた見事な作品でした。この力作が劇場未公開なんてもったいなさ過ぎる...。
para

paraの感想・評価

4.2
ドイツ映画祭。

現代版リブート。
ドイツにおける移民の過酷な姿も盛り込んで
善人になりたい、なろうとするも、自身の中に棲む悪魔と天使に翻弄される男と
悪を囁き続ける男(共依存)と
魂で繋がる女(好ましくない生業という共通点)。

キリスト教的な苦難と受難と懺悔と救済。

誰の声を聞くべきなのかの取捨選択は重要である。

182分。弛緩なく進む。
サウンドデザインが素晴らしい!!
(劇場鑑賞がお勧めなのに公開予定はないのか?)
色彩も良い。

ラインホルト役のアルブレヒト・シュッフが途中からゲイリー・オールドマンの若い頃に見えて仕方がなかった。熱演!
yusuke

yusukeの感想・評価

4.0
原罪、改心など宗教的なテーマが色濃くベースにありつつ、その原罪を異国で暮らす難民としての出自に求め、また主人公の個人的なトラウマ(地中海を渡る上で仲間・恋人を犠牲にする)を生きることへの呪いとしている点で現代的な主題として換骨奪胎している。特徴的な照明や色使い、音楽が良かった。
また抜け出せない貧困や犯罪は普遍的な問題として、単なる宗教的な寓話に止まらない現実的な問題であることを、芸術的なエンターテイメントとして感じさせる。
悪魔の囁きとしての悪役のキャラクターが非常に魅力的に描かれ、演じられていた。
天使と悪魔。そのどちらにも惹かれてしまう人間の性。
100年近く前の小説をバッチリ現在の物語として翻案。手垢のついた主題だが見ごたえがあった。
m

mの感想・評価

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このレビューはネタバレを含みます

すごい期待してワクチンで腕痛いけど頑張って見に行った、の割に難しくてあんま理解できてないの残念。誰か解説してー!って感じ泣

すごい負の連鎖で一度ハマったら抜け出せない沼に陥っちゃったフランシスに、色んな人が手を差し伸べてるのにちゃんと聞かなかった。だから結果は最悪。で?

„Ich will gut sein“ - „Was ist dann GUT?“
ENDO

ENDOの感想・評価

4.0
大人の寓話(陳腐な表現)!アルブレヒト・シュッヘ演じるラインホルトに尽きる。あまりの厄ネタぶりに失笑!腰に手を当て前屈みになる仕草ときたら。原作に沿って性的倒錯者なのは明らか。ユーロライブのインタビューでクルバニ監督が語ったラインホルトの人物像は植民地主義的白人らしいです。妻の撲殺は難民ボートでしがみつかれた際の一撃として翻訳。原作の冒頭に繋がるエンディングに希望を込めて。エヴァという自立したクラブの女主人よりもミーツェという揺らぎのある娼婦を選ぶ。難民の置かれた状況において単純労働の変化なき安心よりもスリルと生きる目的を見つけるために危険を冒す。それは人間として当たり前なのかもしれない。尊厳を失った人間は抜け殻になってしまう。原作のラストは社会への迎合と人間性の喪失であった。それでも尚生きる極限状態における(つまり社会的だけでなく精神的難民も含む)人間への賛歌でもある。ASMR音響はいい!だけど映像の快楽は少なめ!

2年程前秋葉原の某ビル内にある『魚民』を目指してエレベーターで移動中、誤って改装中の階に止まった事があった。そのほとんどが移民の作業員で開いたドアからこちらに視線が集中した。あの誰にも知られざる空間はこの映画の世界と直結していた。深淵に見返された気持ちになったことを思い出した。
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