Yuri

アーニャは、きっと来るのYuriのレビュー・感想・評価

アーニャは、きっと来る(2020年製作の映画)
2.6
原作未読ですが、モーバーゴの「戦火の馬」が好きなので観てみました。フランス側、ドイツ側、どちらの痛みも描いていて、残虐なシーンもないので、教材としては良いと思いましたが、盛り上がりに欠けていて100分ちょいなのに結構長く感じました。娘と合流するために逃げてきたユダヤ人、戦争の気配が少ない田舎町、悩めるドイツ人、帰還兵、羊飼いの少年と面白くなる材料が揃っているのに、それらを化学反応させないので、共感の薄い物語になってしまっていたし、ハラハラする緊迫感のあるシーンもなかったです。肝心のユダヤ人側の境遇や事情が語られることもなかったので、逃亡ものを観る時の祈るようにな気持ちも沸きにくくて、勿体ない作品だと感じました。リアルさでいえば、問題を起こさないように大人しく互いに関わらずにというのが本当だったのかも知れませんが・・・。あくまでジョー目線なせいか、肝心なシーンが全部又聞き状態で描かれていないのが、モヤモヤする作品です。
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