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メイキング・オブ・モータウンのAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

4.0

マイケルジャクソン、マーヴィン・ゲイ
スティービー・ワンダー、スモーキー・ロビンソン
が凌ぎを削ってた奇跡のような音楽レーベル、
モータウンレコードを扱ったドキュメンタリー。ブラックミュージック好きには堪らない内容。

これまで創業者のベリーゴーディJrはその手腕が讃えられる一方で、強権により所属アーティストを型にはめて創造性を押さえつけていた的な負の部分がよく語られる人物だった。
のだけど本作を観ると、それだけではない彼の魅了に気付かされる。
■とにかく底抜けに明るく、欲望に対して真っ直ぐ、常に先の目標へ向けて行動する。揺らがない。リーダーにピッタリの人物。
作品中、ずっとスモーキーロビンソンとおっちゃん二人でワチャワチャしてるのがかわいい(笑)。
■作曲家へのアドバイス『最初の10秒が大事だ。そこで心をぐっと掴め』なんてセリフは今に通じるモノだし
■黒人音楽のレーベルなのになぜ白人を雇うんだと問われても
ベリーゴーディはプリミティブな勝ちへの欲求はあるが差別や偏見を人事に持ち込まない。
「女性の幹部社員も沢山いた、先進的な企業体制だった。先駆的な人事だったかは当時の他の企業と比べればわかる」社員
「白人もユダヤ人も雇い、黒人の会社にこだわらなかった」社員
それが故に広く世界中で愛された音楽を作り得たのかもしれない。

キング牧師に讃えられ「手を組みたい」と言われたり、
50周年にその偉大な遺産を認められ、オバマ大統領にホワイトハウスに招かれたり。
モータウンの功績を数え上げればきりが無いが、黄金の作曲メソッドから外れて成功したマーヴィン・ゲイの『What's Going On』について
スモーキーが最も好きなアルバムだと称え、ベリーゴーディが「俺は間違っていた」と認めた場面は心が揺さぶられる。

(作品中、本筋と関係なくマーヴィン・ゲイの名曲『Inner City Blues』がさり気なくかかった時にその内省的だけど深く美しい音像が、それまで流れていた60年代のモータウンサウンドと、あまりの違いに驚かされ、何故ニュー・ソウルと呼ばれたかに気付かされる)
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その他見所。
モータウンに所属してた
スモーキー・ロビンソン
スティービー・ワンダー
ダイアナ・ロス 
以外にも、
ドクター・ドレ
ジョンレジェンド
ジェイミー・フォックス 
リトルリチャード
アレサフランクリン
ニールヤング(元モータウン所属なの?驚いた)
ホイットニー・ヒューストン
等の豪華なスター達のコメントが聞けます

モータウンレコードの研究家が途中で当時のデトロイトの地域性について説明する
「巨大な自動車産業。。南部からの大量の黒人移住。
当時のデトロイトは公教育に力を入れていて、高校では音楽プログラムが盛んに行われていた。
デトロイト交響楽団のチケットがフォード社から学校に配布されていた。
そういった背景から街に音楽が溢れて活気があり、
モータウンはジャズクラブと協会から優秀な音楽家を引っ張ってきた」と。なるほど。
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