ぶみ

海辺の家族たちのぶみのレビュー・感想・評価

海辺の家族たち(2017年製作の映画)
3.5
ロベール・ゲディギャン監督、製作、脚本、アリアンヌ・アスカリッド、ジャン=ピエール・ダルッサン、ジェラール・メイラン、ジャック・ブーデ、アナイス・ドゥムースティエ、ロバンソン・ステヴナン等の共演によるフランス製作のドラマ。
父が突然倒れたことから兄妹三人が久しぶりに再開する姿を描く。
マルセイユ近郊にある、かつては別荘地として賑わった入り江のある田舎町を舞台とするが、何よりその風景の美しさに目を奪われる。
登場人物は、基本的に主人公となる家族とその隣人のみで展開していき、そのほかの住人が登場しないため、街の栄枯盛衰ぶりが説明なくとも理解できる設定は秀逸であるとともに、時折通る鉄道があることで、他の街と繋がっていそうで実は駅がない様子から、陸の孤島のような雰囲気を醸し出している。
物語は比較的淡々と進み、途中驚くようなエピソードですら、何事もなかったかのように通り過ぎていき、最後までそのテイストは変わらない。
また、劇伴が殆ど用いられないことで、風や波の音がよく聞こえてくるため、その日常感が際立っている。
一つのことをきっかけに、変わってゆく家族の姿を淡々と描き出し、鉄道とタバコと波の音が印象的な一作。

今も血を流してる。
ぶみ

ぶみ