APlaceInTheSun

ヴァスト・オブ・ナイトのAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

ヴァスト・オブ・ナイト(2019年製作の映画)
4.8
ストーリーを文字に起こしたら、誰もが考えそうな三流SF。
それを低予算ながら圧巻のストーリーテリングで、よくも唯一無二の世界観に!!
その手腕に脱帽っす。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−
凡百の80'sSFオマージュものとは一線どころか何線も画すこの完成度。

日常とSF的世界が地続きになっていて、じわじわと入っていく描写が見事。まさに往年のスピルバーグ作品にも通じるワクワク感。

映画の冒頭が素晴らしい。
時代設定とか田舎の街の雰囲気とか、主要登場人物二人の性格を、楽しませながら説明っぽくなく見せる手腕凄いです。僕はバスケ選手のショーツの短さで時代感を感じました(笑)。
主演二人の人物造形、凄く良いですね。あのラジオDJの登場シーンからずっと皮肉混じりに喋り続ける感じ好き。
電話交換士のあのメガネっ子女子のフランクで擦れてない性格。
現状に満足できずここでは無いどこかに行きたい、という点で二人は共通してるんですよね。

ラスト、実際に空に浮かんでるのを目にしてしまった時の演出が秀逸。言葉を失う二人。そして、、、


シンセサウンドで不穏感を掻き立てる演出が巧み。
いまエンディングクレジット観ながら書いてますが、エンディングの曲も良い。あの管弦楽器の無常観。

いざここっという場面で画面をブラックアウトさせて見せないのは、反則すれすれだと思いますがこの作品では功を奏している。
APlaceInTheSun

APlaceInTheSun