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ザ・コールデスト・ゲームのEDDIEのレビュー・感想・評価

ザ・コールデスト・ゲーム(2019年製作の映画)
3.9
緊迫した心理戦、と思いきや骨太なサスペンススリラーに様変わりする見応えのある良作でした。ポーランド製作のNetflix限定配信作品。

物語の舞台は1962年の米ソ冷戦時代。史実であるキューバ危機を目前に控えたノンフィクションとフィクションを掛け合わせたユニークな作品でした。
アメリカとソ連の威信を賭けたチェス大会が行われるのですが、チェスはあくまで表面上のテーマであり、本質的なテーマは米ソの諜報戦にあります。

結構脚本がお見事な作品でした。正直チェスのルールなんて知らなくても楽しめます。
ビル・プルマンが演じる主人公のマンスキーは数学者の設定で、天才的な頭脳を持っていますが、とんでもないアル中で酒を飲むことで思考力が安定するという…。逆に酒を飲まないとあまりの天才すぎる頭脳で変人と化してしまうのです。
変人は言い過ぎですが、主人公の設定が面白い上に、国と国の威信を賭けた心理戦ということもあり、登場人物誰もが怪しく見えてきます。

冒頭でチェスの対戦で頭を抱えるマンスキーが映し出され、そこから7日前、5日前とカウントダウンしながら、冒頭のシーンに迫っていく演出は緊迫感を高める上でとても見応えがありました。
作品も103分と一気見するにはちょうどいい尺。
さらには味方が誰なのかわからない緊迫感が持続されるのでサスペンススリラーとしても上質だと感じました。
Netflixからオススメされてパッケージやあらすじから気になってはいましたが、観てよかった。冷戦時代をポーランド人の目線で撮ったことで、アメリカのステレオタイプ的なソ連の見せ方にならなかったというのも面白く見られた要因でしょう。

※2020年自宅鑑賞70本目
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