Gierck

エルのGierckのレビュー・感想・評価

エル(1952年製作の映画)
4.8
ルイス・ブニュエル監督、ガブリエル・フィゲロア撮影。
ブニュエルの最高傑作とも言える作品で、ブニュエルの個性と、映画表現が最も融合した作品と言えるかもしれない。
教会での出会いを、足への執着を含めて無声映画のように描いた冒頭のシークエンス、列車の走行をシークエンスの間に差し込んで描いた説話手法、被害妄想のフランシスコの倒錯を描いた嘲笑われたショット等、それまで誰も見たことがなかった映画である。
そんな映画を映画産業とは離れたメキシコの地で、密かに作っていたというのも、ブニュエルとは何処までも、独自路線を邁進する人である。
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