エルの作品情報・感想・評価

「エル」に投稿された感想・評価

やま

やまの感想・評価

4.4
束縛の凄い男の話。

ルイスブニュエル監督の作品は数本観てきたが、どれも不条理な話ばかりで映画の中の人達も困るし、観てるこっちも困る作品ばかりを作ってるイメージだった。

今作は非常に分かりやすい。
男が束縛する理由が分からなくもない。
男に降りかかる不安というもの。相手に対しての自分の年齢の高さであったり、上手くいかない裁判であったり、様々な不安要素が彼をおかしくしている。

それに戸惑い受け入れられない彼女の様子も上手く描かれていて、やっぱり人間形成がしっかり成されている映画ってのは面白いのが多い。

ショットと簡単に言ってしまえば、カッコいい。ブニュエルの映画はどれもタイトルと構図がカッコいいのが多い。

ブニュエルの映画で一番好きかもしれない。ラストが素晴らしすぎる。
鴉

鴉の感想・評価

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傑作。成る程、ここから『反撥』へと表現の幅が拡がるわけね。「馬鹿なやつらが幸せそうにしているとムカつく」、神経症気味の手前も気をつけよう。自分が賢か阿保とかではなく心の持ちようの話ね。
50年代のブニュエルの作品では断然面白い部類に入る作品で、60年代以降の名作に通じる歪んだ愛情が描かれている点も良い。

冒頭教会で主人公が女性の足に惚れ込む一連からして倒錯的臭いがプンプンしたが、その後も意中の女性を見つめる眼差しが熱すぎたり他の男が現れる度に嫉妬を露わにする様とか、見ているだけで鬱陶しく思えるのが逆に面白かった。

演出も忘れられた人々ばりに切れの良いものばかりで、それでいて後のホン・サンスのようにシンプルかつ効果的に撮られた景色主体のショットも多くて、この頃のブニュエル作品で最も洗練されていたのではと思うくらい出来が良い。

ブニュエルは超現実的な作品以上に冷笑的な作品を撮ったときこそ、その真価を発揮した監督だったのかもしれない。
ShoseiH

ShoseiHの感想・評価

3.5
自意識過剰な中年男の執着心が生む妄想と狂気。
身近に起こり得る偏執狂。
男のジェラシーって見ていられへんな…。

ラストの妄想加速シーンみたいなんもっと序盤とか中盤にも欲しかった。
TONNY

TONNYの感想・評価

4.3
傑作!

ある男の妄想と精神の崩壊の過程を
描いた描写が良い

ルイス・ブニュエルの凄さが
分かった一本
やっとVHSで見つけた映画!
こういう、思い込みや感情の起伏が激しい人、いるいる。ブニュエルに近い人物像らしい。
精神崩壊していくまでの描き方とラストがよかった!
堊

堊の感想・評価

4.0
階段を降りて振り向いた瞬間に笑い声が聞こえる。いやーーな描写がとにかくイヤーーーな感じ。聴衆の前で……ってモチーフはヒッチコックっぽい。
冒頭が『皆殺しの天使』のラストっぽくてどきりとした。
mirokuma

mirokumaの感想・評価

4.1
文句なく面白かった。とにかくラストでやられる。ブニュエル恐るべし!
これは恋愛映画ではないと思う。
惚れた女に執拗なストーキングをかけ、やっと手に入れたかと思いきや束縛と嫉妬にまみれた夫婦生活を送るという物語に、「恋は盲目」的な可愛げやおかしみが入り込む余地はない。
さんかくの田畑智子みたいな愛おしさは皆無。

オープニング、足を見る主人公の主観ショットですでに彼の「視野の狭さ」を示している。
妻に近づく嫉妬するのも単に自分のステータスの問題で、とにかく周りの目を気にしている。
だからそんな奴に夫婦円満なんて鼻から程遠いものだ。
でもさらにこの映画が気持ち悪いのは、そんな彼を支持する構造が何故か万端に用意されているところ。
途中からもはや妻の身に降りかかる不条理劇に思えてくる。
執事や神父との関係も妙に気持ちが悪い。

ラストシーンもゾッとする。
この歪んだ男を甘やかす狂った構図の行く末は漆黒の闇だ。
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