昼寝

日本殉情伝 おかしなふたり ものくるおしきひとびとの群の昼寝のレビュー・感想・評価

3.1
タイトルも長くて変だし、カルト映画という形容がぴったりだと思う。大林宣彦は4年前に見た『青春デンデケデケデケ』がまったく合わなくて敬遠してたけど、やっぱりいまだによくわからない。見ているとちょっとわかったような気がして、またすぐに突き放されて……。一生この繰り返しかもしれない。ホドロフスキーとかフェリーニっぽいなと思うけどアクの強さの方向性が全然違う気がする。女児の裸が映りまくるのとかもどう考えてもやばすぎる。

台詞回しがずっとくどい。詩情がすごくて映画全編が走馬灯みたいだけど、突然照れ隠しみたいにおなら!とか小学生みたいなギャグが割り込んでくる。尾道の町に着いた竹内力は電車や大勢の子供たちとすれ違いまくる。小指がない永島敏行が弾く一音足りないエリーゼのためにとか、三浦友和が過去を回想した時に妻の昔の姿と切り返すのとか、ベランダから飛び降りる南果歩の重力を無視した身体の動きとか好きなシーンはあるけど、そもそも勝手に作り話を話し始めて「登場人物が語り手の意思を離れる」なんて言われてもいったいなんなんですかというかんじで……。ドライブで絶景スポットに行ったけど運転が荒すぎて酔ってしまってそれどころではない、みたいな気分になる。永島敏行が過去の幼馴染3人の傍らを通り過ぎるとこは『エンドレス・ポエトリー』を思いだした。通り過ぎるだけなのが良い。
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