Aix

狭霧の國のAixのレビュー・感想・評価

狭霧の國(2020年製作の映画)
3.6
アメリカでカルト的人気を誇る特撮ファンタジー人形劇。明治42年、九州の実家に帰ってきた主人公が盲目の少女に導かれて湖に暮らす怪獣を目撃する話。

古き良き特撮映画×溝口健二作品を彷彿とさせるような幽玄な世界観で作られた斬新な人形劇映画でした。何となくミツバチのささやきとかフランケンシュタインにも近く、ギレルモデルトロやティムバートン辺りが好みそうな物語になっています。今作は前述した往年の名作の香りがする一方で、会話や音楽があざとかったり、ストーリー展開と人形そのものがチープだったのが否めません。予算があるので人形のクオリティーは置いときますが、ストーリー自体はミツバチのささやきやパンズラビリンスじゃないけど、もうちょっと冒険した内容の方が今作の評価は上がっていた気がします。面白いし、新鮮なファンタジーではありますが、奥深くはなかったです。

黒澤明作品、東宝特撮作品などのマット画を担当した島倉二千六がスタッフにいるので、この手の映画のファンにとっては今作はたまらないと思います。日本のファンタジー映画が見たい人にはオススメです。
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