このレビューはネタバレを含みます
ネグレクトにたいする描写が丁寧で記憶に残った。エンドロールを見ると児童相談所への取材が複数されていて、なるほど、そう言うところが作品に出るんだなぁと思った。散乱したごみや窓に張られた新聞、薄汚れた襖、くるまった少年、異臭に鼻を背ける主人公の姿が、その一室の異常さを上手に表現していた。
映像は、俯瞰でぐーっと引くようなドリーアウト?がやや多かった印象。台詞がどことなく過剰というか、作りもの感があり、さぁこれから大事なこと言うぞ、みたいな間を感じた。
2ショットでの会話も台本の読み合せのような予定調和な雰囲気がたまに感じられた。
扱う題材が多いので、一つ一つはあっさり進んでいつた。現代の若者の悩みや、彼らが抱えた(と思われる)問題をさーっとなめていくようなストーリー。脚本ありきというか、お話を作るために問題を並べているような、やや軽さを感じた。特に自殺がさらっと使われることに強い違和感をもった。