観察系のドキュメンタリー映画（ちょっとゲイハルター作品っぽかったけど、それとは違って本作品は、実際のツアー通りの順番で進行していたらしく、本来は直線的な作品になったはず。だけど、直線的なストーリーが否定されてるからゲイハルター映画っぽく観えたと思う）としては、各ショットが気持ち長めで、かつ被写体もほぼ変わらないので、（監督の意図する）ウンザリ感を覚える。ナチス映画史のなかに本作を位置づける渋谷哲也先生の解説が勉強になった。終盤の門のショットに、ハッとするつなぎの編集が繰り返しある（つなぎの直前に小さくカメラの音が入るはず）。ほんとの最後は「Travel for Peace」の集団で終わるけど、これはちょっと辛辣。
