Terrra

照射されたものたちのTerrraのレビュー・感想・評価

照射されたものたち(2020年製作の映画)
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カンボジアのクメール・ルージュによる虐殺、広島/長崎の原爆投下、ナチのホロコースト、ベトナム戦争の大量爆撃…世界の戦争による暴力の歴史を生々しく惨たらしい映像のモンタージュで俯瞰する。
横長の3画面分割スクリーンへの投影は観客が視線を外すことを許さず、人類が繰り返す愚かさを注視せよと強要してくる。
7年前の『消えた画』では写真のモンタージュと土人形を使って自国の虐殺の記憶を自己セラピーの如くナイーブに表現したリティー・パン監督。本作は白塗りの舞踏や乱暴なジャン・ルーシュの引用など解せないところも多々あるものの、きな臭さ立ち込める世界に対してもう後がないと言わんばかりの悲痛な叫びを感じた。
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