ヒナタカ

セイント・フランシスのヒナタカのレビュー・感想・評価

セイント・フランシス(2019年製作の映画)
4.3
34歳の独身女性による6歳の少女の子守りから始まるドラマ。生理の出血が頻繁に描かれ、しかし物語自体はユーモアも多くて軽やかで、時おり子育てや人生の深淵も覗かせる。終盤の優しい言葉にポロポロと涙が。
レズビアンのカップル、中絶という選択、年の差の友情、それらにまつわる、現実にも当事者がいるだろう「物語」があった。自分が映画へ、特に求めていることはまさにそれなんですよ。
性別も違うし、特に作中でクローズアップされている生理とも無縁なので言うのも烏滸がましいけど、30代中盤で人生に惑い、周りとの社会での立ち位置や幸せの格差を気にする様が「俺…」だったので突き刺さった。男性も女性も共感できる内容だと思います。あ、でも自由奔放で普通にズボラなところもある主人公に共感できない方は少なからずいるかな。避妊についてもモヤッとする方はいると思う。そういうところを包み隠さないことも本作の良いところなのですけどね。
今年ベスト候補の傑作。上映館はわずかですが、多くの方に届いてほしい。
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