朝田

グリード ファストファッション帝国の真実の朝田のレビュー・感想・評価

3.0
下衆な権利者の生涯と彼の無駄にゴージャスな誕生日パーティーに至るまでのドタバタ劇を交互に語りつつ現代の社会の構造そのものを皮肉る。ポップミュージックと、スプリットスクリーンを交えて語られる主人公の一代記のパートは軽薄な語り口が内容の悲惨さを浮き上がらせていて面白い。ファッション業界の話だがローマ帝国の人々のコスプレをパーティーでしていることや、そもそもタイトルが「グリード」という所など、様々なイメージと接続させているのはウィンターボトムらしい巧さ。しかしメッセージ性が終盤あまりに前面に出すぎているのはハッキリとマイナスな印象。全編の軽快さが失われてしまって凡庸に映るし本編終了後のテロップはマジで蛇足だと思う。あと主人公がライオンに噛まれるってのも流石にあざといような気もするが一応画的には面白いのでそこは個人的には許容できる。
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