南

快楽の園の南のレビュー・感想・評価

快楽の園(1925年製作の映画)
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ヒッチコック初の長編監督作品。

ラブロマンスの中にちょっとだけスリラー/サスペンスが顔を見せる。

おもしろかった!


【記号的な演出を多く用いる】

■ヒロインが付き合う性根の腐った彼氏レヴェットと、好青年ヒューの対比

・口ひげ ⇔ ひげなし
・イヌに吠えられる ⇔ 懐かれる


■コモ湖畔での新婚旅行におけるレヴェットの毒夫ぶりアレコレ

・旅行の前、不吉の前兆としてザーザー降りの雨
・新妻といるときに大あくび
・新妻が観光で来た街の子供と戯れていたら、「泥棒のガキにナメられるぞ」と追い払う
・新妻がくれたバラを「しおれたから」と投げ捨てる


■夫を見送る妻の手と、迎える現地妻の手がマッチカットで繋がれる


【スリラー演出】
■強迫観念に駆られた男の狂気
■ 狂った男の主観カメラと二重露光で現れる幽霊or幻覚(どちらか明示されない)


【ほか】
■コメディリリーフかつ優しいアパートの管理人夫妻(シェイクスピア的)

■ライバルヒロインの行く末をわざわざ描かないのが良い。
南