ロングスリーパー

マイ・ニューヨーク・ダイアリーのロングスリーパーのネタバレレビュー・内容・結末

1.0

このレビューはネタバレを含みます

へっっっっっっったくそなプラダと悪魔。
すごい。ここまでプロットが酷いのはじめてかもしれない。(すみません)

サリンジャーが生きてたら怒るだろうな。
キャッチャーインザライの映画化の質が悪くて拒否したし、映画そのものも嫌いみたいだし(ホールデンがそうなだけかもだけど)、このクオリティでとってつけたみたいに自分をアクセサリーとして登場させられるの不快だと思った。

いろんな出来事が起こりまくるんだけどそれを何ひとつ回収できてなくて、何を伝えたいのかどのシーンにおいても不明。

例えばある作品について上司に聞かれて主人公がその内容を自分の解釈で話したら、目の前の人がそれを書いた作家本人で恥かいて、上司が主人公に仕事頼んで退席させるとか。
サリンジャーに、「writerなら毎日書かないとだめだよ」って言われて涙目の主人公が写って、シーン切り替わってなぜか彼氏とデートしてるとか。しかも彼氏の作品がミソジニスティックで嫌いって言ってたのにそれの回収はその後。喧嘩も主人公は「友達の結婚式に一緒に行かないのは嫌だ」にこだわってて、憂鬱の原因だった彼氏の女性蔑視的な態度の話はどこへ?

書いてない自分が嫌なら最初からそういう主人公の独白ナレーションみたいなので言っとかないと、ただ詩人です!って連呼するのに主人公の書いた作品は出てこないし、日常をテキトーに過ごしてる人になっちゃうよ。それなら映画にしてわざわざ物語として作った意味なくない?
サリンジャーへのファンレター返した理由もなんか深い理由があったわけじゃないし、きっかけは軽はずみだとしてもそこからのめり込んでストーリーが進んでいくならいいけどそうゆうわけでもないし。熱狂的な男性のファンが問いかけてくるのも忘れてたように時々出てくるだけ。

主人公がようやくサリンジャーの本を読んで、今度こそ詩を書いてくれ!と思ったらなぜか元彼氏とフラニーのシーン再現してるし。いや物書きじゃなかったらいいけど、彼氏に着いていって物書きやめた友達責めるなら自分はどうなの。

プラダの悪魔で言う編集長ミランダみたいな女性の上司の言葉や行動も全く心に響かないし、行動も別にかっこいいとこない。
彼氏と別れるシーンも、I‘m leaving you.ってそっちの彼氏にはしっかり別れ伝えるんかい。
ダニエルの自殺を知らせる電話の時に入ってくる主人公も、みんなが神妙な面持ちなのに「どうしたの?」って声デカいし。
頑張ってるシーンないのになぜか担当持つ編集者になってるし。成長もしてないし、そこまでの感情もよく分かんないのに、なぜか辞めるし。「今を逃せばもう二度と」夢を追えない、っていうのも理由が不明瞭。
最後に自分が書いた詩集も、ここまでこれまでの彼女が何を考えてきたかも、何を書いてきたかも分からないから、どんなものを持って行ったか検討がつかない。そのため、全く思い入れがないし、どんな作品なのか全く興味がない。

あと、サリンジャーが主人公との電話楽しみになってるの全然言われるまで気づかなかったし、主人公が「ルーティーンは嫌だ」って急に自己主張した意図も何もかもよく分からん。

おしゃれにだけ力をいれて、プロットはすんごい寝不足の人が半日で書いた感。