ミヤマレベッカ

ペルシャン・レッスン 戦場の教室のミヤマレベッカのレビュー・感想・評価

4.5
すごい映画でした。とにかく面白い。それでいてラストシーンでは戦争、虐殺、差別のやるせなさと虚しさをしっかり描いている傑作でした。
ナチスに捕まったユダヤ人が処刑を免れるためにペルシャ人と嘘をついたところ、なんとナチス将校からペルシャ語を教えるように言われてしまい……生き残るために架空のペルシャ語を必死に教える主人公の姿は見ていてスリリングなのですが、ドキドキし過ぎることもなくサラッと観れるのが怖い。設定が絶妙にコミカルなことも理由のひとつとは言え、きっと当時のドイツ兵たちも、こういう風にサラッとあの悲劇を傍観していたのだろうなと。
上司と部下、敵と味方、支配する者とされる者、差別する側とされる側、このあたりの関係性にあたたかい友情とか甘っちょろい感動とか微塵もない感じがテーマと合致していてとても良かったです。
ミヤマレベッカ

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