ピッコロ

ペルシャン・レッスン 戦場の教室のピッコロのレビュー・感想・評価

4.2
ユダヤ人の名簿

運命って言うのは、時に残酷で…。
でも、そうでも無い時もあって…。
サンドイッチで助かった人生もあれば、そうでもない人生もあるわけで…。
第二次世界大戦中、ドイツはユダヤ人を虐殺していた…。
主人公もユダヤ人なのだけど、ペルシャ人と偽ることで処刑を免れる…。
大尉はペルシャ人を探しており、ペルシャ語を教えてほしいと言う。。。
そこから奇妙なペルシャン・レッスンが始まる…。

ユダヤ人なので、もちろんペルシャ語など出来るわけもなく…。
でも、自分がペルシャ人で無いとバレてしまうとその場で殺害されるわけで…。
主人公は、偽の単語を作り嘘のペルシャ語を教えることに…。
言葉を作るのは簡単…。適当に言えばイイ…。
だけどもやっかいなのが作った言葉をすべて暗記しておかないといけないこと…。
大尉が1日4語教えてほしいと言うが、ある日を境に1日40語と要求が増えていき…。
そこで主人公が思いついた”ある〇〇”を少しもじることで…。
これが今作の感動的なラストに繋がるので涙が溢れて止まらない…。
この世には忘れてはいけない〇〇があると言うこと…。
それは簡単に燃えて捨てられたものだけど、そんな簡単に燃やして捨ててイイものではなくとっても重くて尊いもの…。

気になったのが、本国では、適当ペルシャ語の訳ってどうなってたんだろ?
さすがに字幕付きだと思うけども…。
もしもそうじゃないとしたら、訳す人大変だったろうな?笑

大尉と奇妙な偽ペルシャ語で会話するシーンが印象的。
周りから見れば謎の言葉で会話してる二人だけども…。
二人から見れば、二人だけに繋がる言葉であること…。
でも主人公からしたら大尉は人殺しはしないけども、ユダヤ人を虐殺してるドイツ人と同じなわけで…、そんな微妙な関係が今作の興味深いところだったり…。

主人公が最後に話す2400を超える単語の1つ1つに物語があったことを忘れてはいけない…。
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