むっしゅたいやき

みんなのヴァカンスのむっしゅたいやきのレビュー・感想・評価

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)
4.3
弘前・長岡・会津若松・水戸へのひとり旅の帰途、立ち寄った映画館にて鑑賞。
同日公開されていた、ラバキーやイオセリアーニは、我が味噌県への巡回も予定されているとの事、悩んだ末に見逃していた本作に決断。
旅を総括する作品とした。
ギヨーム・ブラック。
“映画作品に、何を期待するか”で、評価が二分されそうな作品である。

本作はフランス・パリ、自らを恋愛での「負け組」と自認する若者三人の、ひと夏の出来事と成長を光彩豊かに、瑞々しく描く。
ブラック作品らしく、光の粒が見える様な描画、そして彼等を見守る其の眼差しは、凡そ距離を保ちつつも只管に優しい。
ラストも各々の後の姿を未練がましく描くでもなく、スパッと切っており、鑑賞者の想像に其の爾後を委ねる点も、ひと夏の思い出を想わせて鮮やかである。

『女っ気なし』のシルヴァン同様、何故か、少しだけ大人になった彼等を、応援したくなる作品である。
惜しむらくは、映画館を直ぐ後にしてしまい、パンフを買うのを失念してしまった事か。
ま、映画館のトートバッグを手に入れたので、良しとしよう…。
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