南森まち

リトル・ガールの南森まちのレビュー・感想・評価

リトル・ガール(2020年製作の映画)
4.1
フランス。2歳からトランス女性だと自覚した息子への家族の無償の愛と闘いを描くドキュメンタリー。

6歳になったトランス女性サシャが髪飾りを選ぶシーンから始まり、女の子の服を着て人形遊びをするシーン、バレエで女性として踊るシーン、親と共にカウンセラーに受診して戸惑うシーン…さまざまな場面が並べられます。
どのシーンでも彼女を応援し、支援しようとする家族の迷いない姿が描かれます。

本当にいい意味で、85分に収めているのが素晴らしい。差別や設備などの問題提起はいくらでも広く語れる題材を、「家族愛」に絞った構成がとても良かった。
ストーリー上は学校等と交渉する母親が主人公になるが、それをサポートする父や、まったく違和感なくサシャを女性として扱う兄姉たちの雰囲気を感じ取ることができた。
ただ、テーマが家族愛のドキュメンタリーなので、恣意的にそういうシーンを集めただけとも言えるんだけどね…😅

欧州はジェンダー問題に先進的で寛容だと勝手に思っていた。しかし、2020年にこういう状況であれば、なんなら日本よりもはるかに保守的だった事に驚いた。
フランスはカトリック中心だからなんだろうか…?とても見ごたえのある映画でした。
オススメです!