湊健一郎

大怪獣のあとしまつの湊健一郎のレビュー・感想・評価

大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)
3.0
【東映松竹の東宝に対するアンチテーゼ作品】


近年稀に見るSNS、トレンド入りまでした叩かれ具合に正直何事だと思い興味も相まって2日目に観てきました。

自分はそれなりに楽しめました。

結果批判された要因は三点かなと。

一点目は、映画の予告編が本編の内容とあまりにもかけ離れている。まるで『シン.ゴジラ』の続編、後日談のかように作られていた。

これでははみんな庵野作品の延長だと思って期待して観に行く。所がふたを開けてみたら予告では一才匂わせなかった下ネタ全開のコメディだったわけでそりゃそのギャプに反感はでる。

二点目は三木監督は特撮の監督ではない。
寿司職人にイタリアンを作らせるようなもの。
三木監督の良さは時効警察に代表するように日常スケールの中に細かいネタを積み上げて仕込み、作品を構築していくタイプ。
それを特撮の大作を撮らせるのはやはり無理を感じる。
またシリアスとお笑いネタを両方取りにいった所が散漫になり良くなかった。

三点目は、松竹と東映による東宝に対するアンチテーゼ。わかりやすくいうと東宝『シン・ゴジラ』に対して皮肉いっぱいに作っている。これは昔、Disneyピクサーの『トイストーリー』に対してドリームワークスが『シュレック』をディズニーのキャラこコメディとして扱い制作したのと似ている。
これは製作委員会等政治的意図もうごいているのではないか。


ただ、(怪獣のあとしまつ)という着眼点はかなり鋭いなと思っていた。
コミックでは『怪獣8号』がそれには近いかもしれないがまだ未開拓の分野。
作りようによってはかなり面白い作品になったはず。
まぁ、また韓国にまたパクられてNetflixで制作されそうではありますが。。。

内容は、震災、コロナなと今の日本の出来事をうまく取り入れていると個人的には感じた。
また、横山弁護士のオウム裁判の「もぅやめてぇ」までのオマージュは笑いました。流石、三木監督!細かい!笑

今作は、三木監督なりの強烈な日本政府に対しての皮肉なんであろうと。
震災に関してもコロナ対策に関しても一向に対策が進まない政府に対してのあのような皮肉描写なんではないかと考察しました。

しいていえば、下ネタがあまりにも目に余る部分はあったのも事実。。
うんこやゲロやちんこや、銀杏(精子)の匂い、、、客はシン•ゴジラの後日談みたいなのを期待して観に来てるんだから余計に駄作だと感じるだろう。

逆に自分は東映松竹なかなか攻めてるなと感心していましたが。。笑

まぁ、かなり観る人を選ぶ作品なのでそれを踏まえて鑑賞してください。

カルト作品!!
湊健一郎

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