大怪獣のあとしまつ は予告編を一旦忘れて、三木聡監督のオリジナル脚本の過去作を観ておくと妙な納得感ある1本
https://youtu.be/pKDxXrESSvk
ネット上では酷評が多いが、これは予告編の作りが原因なのかもしれない
監督と脚本を三木聡がしている時点で、ガチの怪獣IF映画を期待してはいけないはずなのだが…そこがマイナスになったかもしれない
監督・脚本/三木聡
近年で言えば
「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!(18)」
監督・脚本
ドーピングで得た特殊な声帯を持つ主人公(阿部サダヲ)が
声が小さすぎるシンガー(吉岡里帆)と出会って繰り広げるドタバタコメディ
図鑑に載ってない虫(07)
監督・脚本/三木聡
死後の世界を見ることができる“死にモドキ”の調査する男の物語のギャグ映画
インスタント沼(09)
監督・脚本/三木聡
行方不明の父親が営んでいる骨董品やで不思議な経験をする主人公(麻生久美子)
のヒューマン・コメディ映画
の3作品はいずれも原作がない、三木聡監督のオリジナル作品だが、いずれもコメディ映画なのだ。
このことを知った上で、映画館に観に行くかどうかで作品への見方が全然変わってくる。
また予告編では、まるでゴジラが死んだあとに訪れるとんでもない事態に対して、日本国がどうやって対応するのか?というサスペンス感に満ちた作りにしている結果、期待値のベクトルが作品のテイストとは全く真逆になったのもあるのかもしれない。
怪獣8号という漫画があり、人気を集めている。
怪獣8号も怪獣の後始末を題材にしたもので、パクリ疑惑を口にする人もいるが、そもそものこの映画の企画は2015年頃にスタートしていたという情報が2020年3月に発表されていることを考えると、パクリというは発想の原点は似たもので別物 と考えるのが良いと思う
ちなみに 怪獣8号の第一話がジャンプ+に掲載されたのが2020年7月発行号
空想科学読本という本があるが、あれを面白がって読める人は楽しめる映画。
怪獣映画や特撮を真剣に楽しんで観ている人からすればとんでもなくポイントが外れる映画といえばいいだろうか?
まずは予告のことを綺麗サッパリ忘れよう。そもそも公式HPには
空想特撮エンターテイメント
と書かれていることを踏まえておくのがおすすめ。
山田涼介は出演する作品が面白い題材なのに酷評されることが多いかな?
土屋太鳳ちゃんは 変わらずの美しさと可愛さだが、演技の抑揚が面白い
映画全体を 真剣な特撮映画としてみた場合 オマージュなのかネタなのか 冷やかしなのか 混在しているような表現が多いためこの映画に対して批判的に なる人が多く出てしまうのは ある程度織り込み済みか もしくは少ないものかもしれない
冒頭からの怪獣が 退治されたという状況説明会において 大きな大きなネタ振りがされている
過去の監督作品を見ていれば 安直なまでに想像がついてしまうところは やはり予告なので煽られた 側が「怪獣の死体を、日本の政府と特務隊がどうにかする」という大前提を無意識のうちに100%受け入れてしまうからだろう。
ただ、土屋太鳳演じるユキノが結婚していながらも、元カレのアラタに気持ちが傾いている、不倫を匂わせる流れや政府の各大臣の話す低レベルの会話。特定の国会議員を思わせてネタにする展開など、「ニヒルな笑い」をどこまで受け入れられるかどうかで面白さが大きく変化する
もっとも、三木聡監督の過去作を知ってれば、この流れやあえてツッコミをいれるのもバカバカしくなるようなセリフの流れは「順当路線」なのだが…知らない人からすれば ただのおふざけ になってしまう
このアタリが評価の分かれにつながっているのだろう。
山田涼介や土屋太鳳の 演技は素晴らしく 真剣に馬鹿をするという映画の本質を見事に演じきっている。
真剣なバカ映画 という エンターテイメント作品であることを前提を理解しておくのを推奨