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大怪獣のあとしまつのyukiyoのネタバレレビュー・内容・結末

大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます


 大作系残念映画として昨年(22年)話題となった本作。
 ウキウキしながら鑑賞しましたが、おもしろく…はないけども、そこまで酷く…まあ酷かったけども、悪いとまでは思わなかった。
 本作は『シン・ゴジラ』を標的に、マニアではない人間が作った怪獣映画のパロディ。
 パロディとしてはよく機能しているけど計算外だったのは、(あくまで例えではあるけど)観客がラーメンズのようなシニカルな笑いを求めてきたのに、「ドリフの大爆笑」みたいなコントを提供してしまったから、ではないかと。
 意図的にベタなネタを際立たせながら「気付き」の笑いを仕込むのが三木聡(監督)の作風だとおもいますが、何故か映画との相性がすこぶる悪い。
 その意味ではいつもの三木聡ではあるし、見事なふせえり(監督夫人)映画でしたけどね。
 (途中でもしやと思ったけど、キューブリックの「ドクター・ストレンヂラブ」をやりたかったのでわ?)。

 演劇的な芝居、演出、スローの多用、唐突で気色の悪いキスシーンと気に障る部分も多く、特に酷いのはエンディングと追い討ちのようなフェイク予告。
 これは劇場で観た方にはストレスが溜まったことだろう。
 ここさえきっちり締めてくれれば、気持ち良く帰してくれさえすればまだ評価も違ったのではなかろうか。
 またエンドロールが無駄に大作感を出して勿体ぶるんだよな。
 製作幹事・松竹 東映って、何?
 と、なんやかや云っておりますが、大怪獣の巨大なスケール感だけはとても効果的に表現されておりました。
 驚かれるかもしれませんが、三木聡作品としてはうまくいってる方なんですよ。コレ。
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