このレビューはネタバレを含みます
古のプロレスファンなら誰もが知っている「エリック家の呪い」を映画の題材にすると聞き、興味と不安が湧きましたが、やはりとても重たい映画になりました。
何かを考えさせられるけど、最後には何も考えられなくなった。
罪でもなければ罰でもない、この悲劇の連鎖は呪いでなければ何なのだろうか。
ドラマとしての悪役は家父長制の頂点にいる父フリッツであろうが、本編ではそこに傾くことはしない。それが更にドラマを重たくする。
敢えて云うならば、多くの人生を糧に膨張する「プロレス」の魔力が引き寄せたドラマのようにもおもえる。
たくさんの息子を亡くした父と、たくさんの兄弟を亡くした息子。二人のプロレスラーの悲劇。
ラストの幻想的な場面と、ケビンと家族との姿は唯一の救いとなった。
※検索してもらうとすぐに判るけど、エリック家には映画に登場しないもう一人の弟、六男クリスが存在する。彼もまた。