ツクヨミ

キャンディマンのツクヨミのネタバレレビュー・内容・結末

キャンディマン(2021年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

黒人差別が生んだ"都市伝説"。
アンソニーは現在スランプ気味の画家。ある夜に友人や恋人と飲んでいると友人から奇妙な話を耳にする…
黒人差別批判要素を含んだ都市伝説ホラー。今作はジョーダンピールが脚本を担当しており、いわゆる"現代黒人問題"を盛り込んだホラーになっていて面白かったです。キャンディマンが誕生する理由が1890年に起きた黒人リンチ殺人だったり、キャンディマンが主に殺すのは白人だったりと現代社会に対する風刺的側面がしっかり現れている。
そしてキャンディマンの出現や殺陣の演出は"ジョジョの奇妙な冒険第3部"に出てきたスタンドのハングドマン(吊るされた男)みたいだった。キャンディマンは基本的に鏡の中にしか存在しないのに、現実の人間たちを虐殺していく。言葉では説明しにくいが現実では被害者が勝手に血を流したり浮遊しているように見えるが、鏡を見ると加害者のキャンディマンが殺している姿が現れるという映像トリックが実に面白い。また映像的にも主人公アンソニーが鏡に映るとキャンディマンになっていたり鏡を使ったトリック描写が奇妙で恐ろしかった。
そして今作はオープニングの配給会社ロゴが反転していたり、エンディングで絵本描写とスタッフロールを部屋の壁割みたいに映したりして最初から最後まで映像的に楽しませてくれるのも良い。
映像的にとても面白いものを見せてくれたニア・ダコスタ監督、次作でMCU作品"the marvels"を監督するらしいので注目していきたい。
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