ヒラリー

モスキートのヒラリーのレビュー・感想・評価

モスキート(2020年製作の映画)
3.7
京都ヒストリカ国際映画祭
第一次世界大戦下、17歳のザカリヤスはアフリカ・モザンピークに出兵する。
だがマラリアに感染、隊から遅れ単身追う事に。
道中、同士であるポルトガル兵から打診もあるも祖国の為に戦うと黒人奴隷を連れて隊を追う。
激しい戦闘等はないが人間の上下関係(白人黒人捕虜男女と多種多様)が色濃く出る反戦映画。
最初の舟橋がない代わりに黒人奴隷が肩車して砂浜へ連れて行くシーンは酷く尊厳を傷つける行為だなと思ったし、祖国の為とはいえ彼の本質が歪んでいくようで…
女子供が沢山いたとしても一人の男性は脅威だし、殺す事も出来たけど手を下さない辺りが男女間の違いというか情けというか…。でも男をモノのように扱う…。
いつドイツ兵が出てきてもおかしくない、一人だから殺されてもおかしくない状況でザカリヤスは時に手を汚したけども生き延びる最善の選択を選び続けたというのは強運でしかない。戦地とはまた違った死と隣り合わせの恐怖
目的地の湖に辿り着き仲間と合流出来た達成感と同時に大義を果たせなかったという現実の先にあるものは…
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